AGAの遺伝子検査ができる検査キットを利用して自分のはげリスクを知ることができる?

AGAの遺伝子検査が

薄毛と遺伝の関係は私たちの国でも昔から言われていたことですが、科学的な裏付けがなくどこか眉唾的な感がありましたね。

この問題について、ハゲ薄毛の大部分を占める男性型脱毛症(AGA)においては、その進行過程の一部で遺伝が関係することが分かり、これを検査することによって個人のAGAリスクを判定できるようになったのです。

そして医療機関による検査だけでなく、検査キットを用いて個人でも気軽に検査できるようなサービスがすでに始まっています。

これを利用すれば、治療が難しいAGAに対して私たちも有効な手を打てるかもしれません。

今回は手軽にできるAGAの遺伝子検査について詳しく見ていきたいと思います。

1.AGAの遺伝子検査って何を調べるの?

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AGA遺伝子検査の内容について知るにはAGAと遺伝の関係を知る必要があります。

①AGAのきっかけはジヒドロテストステロン(DHT)の発生から

AGAは体内で発生するジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが悪さをして進行するものです。

DHTは最初からあるものではなく、薄毛を引き起こさないテストステロンという男性ホルモンが変化して発生するものです。

テスト 5α DHT

その変化の過程には5αリダクターゼという体内酵素が関与しており、この酵素の働きによって作られたDHTが毛根に髪の毛の発育を阻害する信号を発することで毛根の生命力を徐々に弱めていきます。

AGAについての詳しいメカニズムや原因はこちらの記事を参考にしてみてください。
「AGAによる薄毛の原因と対策の総まとめ」

またDHTについて詳しくはこちらで解説しています。
「薄毛はDHTが原因!DHTで薄毛になるメカニズムと抑制方法」

②実際にAGAが進行するかはDHTのレセプター(受信器)の感度

DHTは一旦生成されると毛根に脱毛信号を発しますが、信号は毛根側でキャッチされて初めて脱毛作用を発揮します。

毛根側にあるレセプター(受信器)の感度が良ければ信号をもろに受けてしまいますが、感度が低ければ脱毛信号に反応しにくくなり、この場合AGAが進行しにくい体質であるということができます。

感度 高い 弱い

レセプターをピックアップした記事がありますので気になる方はこちらをご覧ください。
「アンドロゲンレセプターの働きと薄毛の遺伝の真実とは!」

このレセプターの感度に遺伝が関与することが分かっており、AGA遺伝子検査キットではこの点を調べることができます。

またAGAの治療にはDHTの生成を抑制することが第一になるのですが、そのための治療薬がフィナステリド製剤です。

ファイザー

フィナステリドは5αリダクターゼに作用して、DHTの生成を抑制する作用があります。

必ずと言っていいほどAGAの治療ではフィナステリド製剤が第一選択肢として使用されますので、自身の体に対するこの薬剤の有効性についても知っておきたいところですが、検査キットではこの点も調べることができます。

フィナステリドの効果や副作用などの詳しい事についてはこちらでご確認ください。
「プロペシアの主成分フィナステリドの効果と副作用」

フィナステリドを投与してもあまり功を奏さないということが事前に分かっていれば、他の代替治療薬を検討したり、メソセラピーなどの先端治療と組み合わせてより効果的な治療方針を立てることができます。

2.具体的にどうやってAGAリスクを調べるのか

医者 真剣

次は具体的にどうやって遺伝子検査をするのかについて説明していきます。

①遺伝子を取得する方法

AGA遺伝子検査キットを用いた検査では、頬の内側の粘膜を専用の綿棒などでこすり取って採取した細胞を検査機関に送り調べてもらうことになります。

少し難しい話になりますが、ヒトのDNAはシトシン(C)アデニン(A)グアニン(G)チミン(T)という4つの塩基によって構成されています。

これらがいくつも連なって構成されるDNAを調べ、その配列をチェックします。

この中ではシトシン(C)、アデニン(A)、グアニン(G)の配列が繰り返される箇所があるのですが、この繰り返す数をCAGリピート数といいます。

CAGリピート

②レセプターの感度が高い遺伝子とは?

CAGリピート数が少ないほどにDHTの脱毛信号をキャッチするレセプターの感度が高いことになり、したがってAGAの発症リスクが高いということになります。

検査機関によって基準値の判断が多少異なりますが、CAGリピート数が24以下であるかどうかが感受性判断の分かれ道と考えるのが一般的です。

つまり、CAGリピート数が24よりも少なくなるにしたがって、どんどんレセプターの感受性が上がってゆき、伴ってAGAリスクも高まります。

そして、リピート数が25より多くなるにしたがって感受性は減り、AGAリスクは減少傾向に向かうということです。

CAGリピート 感受性

ただ、おおよそ16~32くらいまでの数値であれば正常範囲と考えられているので、一様に24以下かどうかで判断するものではなく、あくまで感受性の傾向を示すにとどまります。

③遺伝子検査で調べられるもう一つのこと

遺伝子検査ではもうひとつ、若い時期にAGAを発症しやすいかどうかも調べることができます。

これを調べるにはグアニン(G)シトシン(C)がGGCの順で並んでいる配列を調べます。

GGCが連なる数をGGCリピート数といいますが、この数とCAGリピート数を合計すると若い時期からAGAを発症しやすい体質かどうかが分かります。

GGCリピート

両者の合計数が37から39程度が平均値となり、37よりも数字が低くなるにしたがって若年期からのAGA発症リスクが上がっていき、39よりも数字が大きくなるにしたがってそのリスクは下がっていきます。

CAG GGC 合計数

少し難しい話になりましたが、粘膜細胞を送られた検査機関ではこのようなことを調べて検査を受ける方のAGAリスクを調べることになります。

3.市販の検査キットの種類と検査の仕方

医師チェック

ではここで、市販で購入できる検査キットにはどのようなものがあるのか見てみましょう。

①検査キットで有名なのは「AGAドック」

検査キットはいくつかの種類が販売されていますが、有名なものではまず「AGAドック」があります。

値段は1万3000円前後で、購入方法は特定のネットショップやアマゾンなどで購入できます。

AGAドック
http://www.agadock.com/about_agadock/

郵送されてくる封筒には「AGA」や「遺伝子検査」などの文言は無く、中身が人に推察されないように工夫されます

封筒の中には検査キットと郵送用の封筒、ヘアケア製品のパンフレットなどが梱包されています。

検査キットの中には細胞の採取に使う専用の綿棒が最初から入っているので、別途購入する必要はありません。

いきなり綿棒で頬粘膜を擦らず、まずは口腔内を水で何度かゆすぎ不純物を取り除きます

次に、綿棒を片方の頬の内側に20回程度こすり付けます。

みぎ3

もう片方の頬でも同様に行い、その後室温で10分程度乾燥させます。

専用綿棒には外部に接触しないようにする専用のケース(カルポーター)が付いているので、これで密封します。

検査キットの中にはIDシールが梱包されているので、そのシールをカルポーターに貼り付けます。

検査機関では他にも多くの検体が送られてくるので、混同が無いようにするためです。

キットには他に検査同意書や申込書といった書類が内蔵されていますから、これに必要事項を記入して検体と一緒に郵送します。

郵送

検査キットの有効期間は6か月となっており、この期間までに郵送しないと別途費用8640円(税込)がかかってしまうので注意してください。

およそ2、3週間で検査結果が郵送されてきます。

「遺伝子結果報告書」ではDNA配列を調べた結果、CAGリピート数やGGCリピート数がどうであったのか、そこから導き出されるAGAリスクはどの程度なのかといったことが記されています。

もう一つ「AGAアドバイスブック」も梱包されており、薄毛に悩む患者さんに対しての生活習慣や食生活、洗髪方法などのアドバイスが書かれています。

本 医者 アドバイス

AGAドックに関しての詳細はこちらの記事で紹介しています。
「AGAドックで脱毛のリスクを検査!将来の不安から早期治療に切り替えを」

市販の検査キットで有名なのはこのAGAドックですが、検査キットは他にもいくつかあります。

②その他の検査キット

例えば育毛シャンプーで有名なアンファーは「スカルプDヘアメディカルAGA関連遺伝子検査キット」を16200円で販売しています。

アンファー通販公式サイト
http://www.angfa-store.jp/brand/br_lp_gene_kit

他には検査キットと育毛剤をセットで販売するところもあります。

「ペルソナ」という、育毛剤がメインになる製品ですが、これに遺伝子検査キットをセットして販売し、まずは遺伝子検査を行ったうえで、その人の体質に合う育毛剤が郵送されてくるという仕組みです。

遺伝子検査付き育毛剤 ペルソナ育毛剤
http://prsna.jp/user_data/plus.php?adcd=hacinetafs20161111t

なかなか上手い仕組みを考えたものですね。

4.病院では検査を受けられないの?

病院

①遺伝子検査は病院でも受けられる?

上記の通り遺伝子検査はいくつかの種類があり、自分の体質をチェックしてみたいと思う人は気軽に検査キットを購入して調べることができます。

近年は薄毛分野以外でも色々な遺伝子検査が可能になってきているので、多くの方が試しているのではないでしょうか。

検査キットは手軽に利用できるものですが、医師の診察や所見を受けないので検査結果についての有効性などが度々問題になることがあるようです。

薄毛分野においては血縁関係調査など法的な問題が絡むことは無いと思いますが、医師がいる医療機関では遺伝子検査を受けることができないのでしょうか。

実は薄毛専門のクリニックなどでは多くの場合遺伝子検査を受けることができます

一般の皮膚科などでは対応していませんが、専門機関は上述したような粘膜の一部を採取して行う検査の他、血液検査によっても遺伝子検査を受けることができます

②医療機関による遺伝子検査

遺伝子検査

医療機関による遺伝子検査では、薄毛治療に先立って安全性をチェックしておく必要がある内臓疾患血圧異常などをチェックすることもできます。

また、医師の所見が受けられるので、的確な治療方針を立てることができます。

市販の検査キットではこうしたことができませんから、やはり医療機関での検査の充実度に劣るのは仕方がありません。

もっとも、一方で市販の検査キットにも費用面などでメリットがあります。

5.病院での検査と比較した検査キットのメリットは?

ひらめいた

①若年時にAGAの発症リスクを知ることができる

自分でできる検査キットの優位性としては、先ほど少しお伝えした費用面の他に挙げられるのは、一つは若年時期におけるAGAの発症リスクを知ることができるので、早期に治療に取り組むことが可能になる点です。

喜ぶ 男性

これは重要なことで、AGAの治療は早期に開始するほどに回復傾向が良くなるからです。

受診をためらっている間に進行してしまうと治療を開始しても毛根が弱りすぎて生命力を回復できないこともあります。

また一度死んでしまった毛根は二度と復活しませんので、どんな薬を使っても毛量は回復しません。

結局、いま現存する毛根を守ることで、そこから生える髪の毛を健全化することしかできないので、多くの毛根が残っている早期の段階で治療に着手することが肝要なのです。

②AGAの治療薬であるフィナステリドの有効性を知ることができる

もう一つはAGAの治療薬であるフィナステリドの有効性を事前に知っておくことができるという点です。

AGA治療の第一選択肢として用いられるのがフィナステリド製剤ですが、治療による改善結果を確認することができるのは治療を開始してから半年ほど経ってからのことです。

髪 カレンダー フィナステリド

もしフィナステリドが効きづらい体質だということがわかっていれば、無駄な投薬を避けてその分の費用を他の代替薬剤やメソセラピーなどの先端治療に振り向けることができます。

フィナステリドが効きづらい場合に有効なのが、毛根への血流を大幅に高めて高い育毛・発毛効果を得ることができるミノキシジル製剤です。

ミノキシジルタブレット

通常、ミノキシジルは外用塗布剤として使用するのが一般的ですが、内服薬としても投与することで高い効果を得ることができます

ミノキシジルについてはこちらの記事に詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
「AGAでも髪が生えてくる!ミノキシジルタブレットの効果と副作用」

こうした薬剤に費用を振り向けることで、より有利な治療効果を得ることができます。

生え際や頭頂部などが少しずつ薄くなってきていて、近い将来治療を開始することになるだろうという段階で検査を実施しておけば、治療開始のタイミングを逃さず有効な治療方針を立てることができます。

一方、AGAと思われる症状がすでに進行してしまった場合は検査よりも治療開始が優先ですから速やかに診察を受ける方が得策です。

なお、ヒトの遺伝子情報は生涯変化することは無いので遺伝子検査は一度受ければ良く、複数回受ける必要はありません

遺伝子

絶対にはげたくないという人は、薄毛が気になる前の段階で実施してしまっても良いかもしれませんね。

6.まとめ

今回はAGA検査キットなど、AGAの検査について紹介して行きましたがいかがでしたでしょうか?

繰り返しになりますが、早期のAGA検査は非常に重要です。

早期に対策ができるのとできないのとでは改善の具合がかなり変わってきます。

AGA対策についての概要はこちらで紹介していますのでご覧ください。
「AGA対策はこれで完璧!AGAの原因と対策方法」

今回の内容が適切なAGA検査のためのご参考になれば幸いです。