「はげ」の種類とそれぞれの原因・治療方法

「はげ」の種類とそれぞれの原因

人の頭髪の状態は千差万別ですが、それは個々人の頭皮環境体内のホルモンの影響度合い体質遺伝生活習慣などが異なるためです。

つまり、はげには種類があるのです。今回ご紹介したいのは以下の5つの種類のはげです。

  •  男性型脱毛症(AGA)
  •  脂漏性脱毛症
  •  ひこう性脱毛症
  •  ストレス性脱毛症
  •  円形脱毛症

これら、それぞれのはげの種類で治療の仕方が異なってきますし、少し髪の毛が細くなってきた、抜け毛が増えてきたといった段階での予防措置の仕方も異なってきます

特に医療機関にかかる前に自分で行う手当や予防を実行する場合は医師の助言やサポートを受けられませんから、自分でそのはげが何を原因として起きているものなのかをある程度鑑別できるようにしておくのが望ましいのです。

はげの種類をあらかじめ知っておき、いざというときに正しい選択ができるようにしておくことははげ対策としてとても大切です。

今回は代表的なはげ症状について、その種類と原因、特徴、治療法などを見ていきます。

1.男性型脱毛症(AGA)

薄毛に悩む男子

日本人男性のはげの大部分を占めるのは男性型脱毛症、通称AGAです。

①AGAの原因

男性ホルモンのテストステロンが変化した別の活性型ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」によってはげが引き起こされます。

テストステロンは単独ではDHTに変化することはできず、体内酵素の一種である5αリダクターゼによって変換されて生成されるものだということが分かったのです。

テスト 5α DHT

DHTはある種の脱毛シグナルを発し、毛根側のレセプターがこの信号を受け取ることで正常なヘアサイクルが乱れ、毛根の毛髪生成能力が徐々に削られて不正な脱毛が増え、通常よりも早期に毛根は死滅してしまいます

AGAヘアサイクル

この影響が加齢とともに広がり、徐々にはげが広がっていく進行形態をとるのがAGAです。

AGAは発現箇所にその特徴があり、主に、

  • 生え際から症状が進行するM字タイプ
  • 前頭部が上に向かって後退するU字タイプ
  • 頭頂部で円周上に進行するO字タイプ
  • 複数のタイプが同時に発症する複合タイプ

などがあります。

これらのどこか特定の箇所で徐々に髪の毛が細くなり、薄毛が進行するならばAGAを疑うべきです。

aga type

複数のタイプが同時に進行する場合は、「薄毛の発現箇所」と初期症状である軟毛化(以前よりも毛髪が細くなる現象)に着目するとAGAの鑑別が容易になります。

②AGAの治療方法

AGAに対する対処は市販薬の使用生活習慣の改善など個人でもできることはありますが、劇的に毛量を回復するのは非常に難しく、また時間もかかります

効率的に毛量を回復するには医療機関による専用の治療薬を使用するのが近道となります。

治療には主に5αリダクターゼに作用してDHTの生成を抑制するフィナステリド製剤と、頭皮の毛細血管を拡張して強力な血流増進作用によって毛根の力を回復させるミノキシジル製剤を主軸にした投薬治療が検討されます。

フィナステリド ミノキシジル

一般の皮膚科では効果的な治療を受けることが難しいので、薄毛治療専門クリニックで治療を受けるのが効果的です。

専門クリニックでは上記の治療薬だけでなくビタミンやミネラル、アミノ酸といった発毛を支援する栄養素を組み合わせた独自処方の薬を処方してくれることもあります。

また毛根の発毛作用を高める成長因子を活用した先端治療である育毛メソセラピーや自毛植毛治療といったメニューも検討することができます。

AGAの原因や対策についてを詳しく書いた記事がこちらにありますのでぜひ参考にしてみてください。
「AGAによる薄毛の原因と対策の総まとめ」

2.脂漏性脱毛症

パーマ 頭皮ダメージ

次に、男性に多いと言われる脂漏性脱毛症についてです。

脂漏性脱毛症は何らかの要因により頭皮の皮脂が過剰に分泌されると起こるはげ症状です。

①脂漏性脱毛症の原因

もともと頭皮は顔よりも皮脂腺が多く、皮脂がよく分泌される部位になります。

これは紫外線や外的刺激から頭皮を守るために人の体が自然に行うことですので皮脂が分泌されること自体は悪いことではありません。

しかし必要以上に皮脂が分泌されてしまうと、雑菌の繁殖を助長して頭皮環境を悪化させたり皮脂が毛穴に詰まって髪の毛の育成を阻害し、不正な脱毛を助長することがあります。

このように過剰な皮脂が原因となって起こるはげ症状が脂漏性脱毛症です。

脱毛

皮脂が過剰に分泌されてしまう要因はいくつか考えられます。

脂っこい食事を好んで食べることが多いなど食習慣からくる場合もありますし、ストレスが多く、自律神経が乱れると体の機能が狂って皮脂過剰になることもあります。

また近年問題になっているのがシャンプー剤による影響です。

食事 ストレス シャンプー

一般に出回っている安価なシャンプーには低コストながら洗浄効果が高い硫酸系の成分が含まれています。

日用品として使いやすいのはいいのですが、過剰な皮脂除去効果を示すことから体が逆に反応してしまい「頭皮のバリアがなくなっているので多くの皮脂を分泌しなければ」とより多くの皮脂を分泌してしまうという負の作用を見せることがあります。

②脂漏性脱毛症の治療方法

手当としての効果が高いのはいわゆる「育毛シャンプー」と呼ばれるものです。

育毛シャンプー

高刺激性の成分を含まないのはもちろんですが、髪の毛や頭皮に負担をかけるシリコンを含まず、頭皮環境を改善する作用のある生薬成分を多く含み、育毛に適した環境に導いてくれます。

育毛シャンプーについてはこちらの記事で紹介していますので参考までにぜひ。
「AGAを食い止めろ!薄毛対策におすすめのシャンプーは?」

また、食事面の改善やストレスの除去などを考えて体の内側からも皮脂過剰がなくなるようにしたいものです。

整った食事 すっきり

ただ皮脂過剰にはもう一つ要因が考えられ、これはAGAにも関係してきます。

AGAの発症によって体内で生成されるDHTはそれ自体が皮脂を多く分泌させる作用があるので、脂漏性脱毛の裏にAGAが関係していることもあります。

この場合は効果的に対処するには医療機関での投薬が必要になることは覚えておきましょう。

服薬

脂漏性脱毛症の特徴としては頭皮がべたつくことが多い、いわゆる脂性肌を日ごろから実感しているかどうかです。

多少多く皮脂が分泌されても、毎日適切な洗髪で清潔を保てていればそれほど問題にはなりません

これがきっちり行われていなかったり、シャンプー剤などの影響で洗浄効果を超える皮脂過剰になると脂漏性脱毛の危険が生じます。

頭頂部など目視しにくい部位は初期の段階では気づきにくいので、普段からかゆみなどの感覚にアンテナを立てておくことで気づきを促すことができます。

頭皮の状態があまりによくなかったり、自己手当を半年ほど行っても改善傾向が見えない場合は医療機関の受診が勧められます。

3.ひこう性脱毛症

ひこう性脱毛症は過剰なフケが原因となって起こる脱毛症です。

①ひこう性脱毛症の原因

脂漏性脱毛は皮脂が毛穴詰まりを起こして脱毛につながりますが、同じようにフケが毛穴を詰まらせることで脱毛につながります。

フケが多量に発生する原因はやはり複数考えられます。

例えばホルモンバランスを崩すと頭皮の常在菌が異常繁殖を起こすことがあり、この影響でフケが大量に発生することがあります。

引き金になるのは他にもストレスの影響が考えられます。

AGA 原因 飲酒1

体質的にアトピーやアレルギーを持っている人はこれらの影響を受けてフケの増産がされやすいことが指摘されています。

また最近はシャンプー剤に含まれる刺激性の強い成分の影響で頭皮環境を悪化させることが引き金になることもあります。

詰まったフケによってさらに雑菌が繁殖し、より頭皮環境を悪化させる方向に向かいますので早めの手当てが大切です。

②ひこう性脱毛症の治療方法

頭を洗う

大量のフケを取り除こうと洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ洗ってしまうと余計に症状を悪化させてしまうこともあるので、アミノ酸系のマイルドな洗浄力のシャンプーに切り替えることが勧められます。

皮膚科領域で治療の対象になるので病院を受診することもできますが、ひこう性脱毛症は原因の特定が難しく、完治に時間がかかることもあります

ステロイド剤の使用が検討されることもありますが、多くの場合対外的なアプローチよりも、生活習慣など体の内側から体質改善を行って治癒に向かうように治療方針が立てられることが多いです。

すなわち、頭皮環境を改善して薬剤に頼らずに自然な改善を目指して食事やストレスとの付き合い方などを総合的に考えます。

スパイス 高脂肪 お菓子

特に食事面では頭皮環境を悪化させる要因になるスパイスなどの刺激成分や高脂肪食品、菓子類などを節制するよう指導されます。

4.ストレス性脱毛症

ストレス

ストレス性脱毛症は神経性脱毛症とも呼ばれます。

仕事や家庭、友人関係など何かとストレスの多い現代社会ではストレスから完全に逃れることはできませんが、長期間強度のストレスを受け続けると体の様々な個所に影響が現れます

①ストレス性脱毛症の原因

適度なストレスは人にとって必要とも言えますが、これを超える強度のストレスを受けると人の体は防衛反応から血管を収縮させる活動を示します。

頭皮の毛細血管は細いので、すぐに血流が阻害されてしまい毛根が栄養不足に陥ることになります。

血行不良状態の頭皮は柔軟性を失い硬化して髪の生育を妨げる要因になります。

ストレスが自律神経のバランスを崩すと、今度は皮脂の過剰分泌を促進するなど影響が拡大してきます。

派生効果として睡眠障害を引き起こすこともあり、こうなるとさらに神経系のバランスを崩して負のスパイラルに落ち込むこともあります。

正常な体の機能を失うと全身の活力が低下するので、髪の発育にも支障が出ることになります。

②ストレス性脱毛症の治療方法

ストレスは様々なはげの原因を呼び込むことになるので、ストレスとの付き合い方を考えるのが基本的対処となります。

それに加えて、病院での治療は血行不良には血流改善薬、精神神経系には向精神薬など、各方面の原因に対処する治療方針が立てられることになります。

ストレスの解消法はこちらの記事でも解説していますので参考にしてみて下さい。
「男性必見!ホルモンバランスがストレスで崩れる要因と解決方法」

5.円形脱毛症

薄毛頭頂部

円形脱毛症はいわゆる10円ハゲのような円形上に発現する単発型のはげとして認められることが多いですが、実はいくつかの種類があります。

①円形脱毛症の種類

小さな円形はげが多発的に起こる多発型、円形ではなくマダラ状にハゲが広がる蛇行型頭髪全体にはげが及ぶ全頭型などがあります。

円形脱毛症の原因はまだはっきりと解明されておらず、自己免疫システムやストレスなどが誘因となって起こると考えられています。

②円形脱毛症の治療方法

単発型では自然治癒することも多いですが、多発型蛇行型全頭型は自然治癒が難しいため医療機関で治療を受ける必要があります。

ステロイド剤の使用が行われることがありますが、はげが小さいうちに対処することで治療成績が良くなります。

他にも頭皮の血流を良くするミノキシジル製剤や塩化カルプロニウム(フロジン液)などの外用剤が用いられることもあります。

フロジン液

円形脱毛症の患者さんは見た目を気にされることから余計にストレスがかかり治療効果を弱めてしまうことがあります。

そのため治療と並行してカツラやウィッグなどを使用して見た目を改善することが功を奏することもあります。

6.まとめ

今回ははげの種類を見てきましたが、症状としては同じように見えても原因が違えば対処の方法も違ってくることがお分かりになられたでしょうか?

はげのほとんどを占めるAGAに関しては、はげの発現箇所や進行の仕方の特徴を知っておくことでその兆候を掴めるので早期の受診が可能になります。

脂漏性やひこう性などの脱毛症もそれぞれ特徴がありますから兆候がある方はよく経過観察をしていれば症状が進む前に適切な対処ができるでしょう。

円形脱毛症に関しては治癒に時間がかかることもありますが、できるだけ気にしないようにし、心理的負担を避けつつ医師の適切な治療を受けることで治癒を早めることができます。