はげと遺伝の関係と絶対にはげを回避する方法

はげと遺伝の関係と絶対にはげを

はげと遺伝に関しては近年色々と研究がなされていて、ある程度のことは分かるようになってきています。

その結果、実際にハゲと遺伝は関係があるということが判明したのです。

ただし、これまで私たちが考えてきたような父親がはげていれば子供もはげるという単純なものではありません。

今回は新しく分かってきたはげと遺伝の関係について見ていきます。

1.遺伝はどのようにしてはげに関係するのか

???

近年の遺伝研究で分かってきたことは、はげの原因の大部分を占める男性型脱毛症(AGA)の進行における特定の過程で遺伝が関係するということです。

AGAは体内の男性ホルモンが悪さをするものですが、元々体内にあるテストステロンという男性ホルモンは生殖機能の発達など男性としての体を作るために必要なもので、これ自体は薄毛を引き起こす原因にはなりません。

ところがこのテストステロンが体内にある酵素の一種である5αリダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)という別の男性ホルモンに変換されてしまうことからAGAが起こるのです。

テスト 5α DHT

DHTは毛根に脱毛シグナルを発することで髪の毛の成長を阻害します。

各毛根は独自のヘアサイクルを持っていて、5年~7年程度の成長期間のうちに十分に成長し、その後は成長を止め、自然に脱毛します

ヘアサイクル

その後、次の新しい健康な髪の毛が生み出されてくるのですが、髪の毛は長い期間をかけて少しずつ成長するものです。

DHTは成長期間を大幅に縮めてしまうため髪の毛はしっかりと育てず、軟毛化が進んでいきます。

AGAヘアサイクル

長期間脱毛シグナルに曝された毛根はやがて死滅してしまい、二度と髪の毛は生えてきません。

そしてDHTの作用はどんどん他の毛根にも広がり、AGAは進行していくのです。

この過程の中で、遺伝が関与するのはDHTの影響の受けやすさと、5αリダクターゼの活性の強さです。

この点について次の項から詳しく見ていきます。

2.遺伝が関与するポイント~DHTに対する感度

まずDHTの影響の受けやすさですが、これはDHTが発する脱毛シグナルにどれくらい反応するかということです。

脱毛シグナルは毛根にある受容体(レセプター)に感知されることで脱毛作用を発揮します。

この受容体の感度が高いと脱毛作用が強く働き、感度が弱ければ脱毛作用も少なくて済むということです。

感度 高い 弱い

言ってみれば脱毛シグナルに対して「鈍感」であればDHTが多量に生成されてもAGAによるはげは起きにくいということですね。

この受容体の強い感度が遺伝として承継されるとはげやすくなると言えるわけですが、一般的に考えられている「父がはげだと子もはげる」という言い伝えと遺伝学の考えは異なるようにも思えます。

どういうことかというと、この脱毛シグナルの受容体の感度は遺伝学でいうところのX染色体にあります。

高校の理科で遺伝について少し学んだと思いますが、ヒトの遺伝子はX染色体とY染色体があり、男性はYX型女性はXX型です。

染色体の仕組み

これでいくと、この男女から生まれる男子はやはりYX型となるのですが、その際には父からY染色体を継ぎますが、残るX染色体は母から継ぐことになります。

従って、DHTの脱毛シグナルに対する受容体の感度=はげやすさというのは父ではなく母の方が関係するということになります。

これに関しての詳しいことはこちらの記事で説明していますので参考にしてみてください。
「アンドロゲンレセプターの働きと薄毛の遺伝の真実とは!」

3.遺伝が関与するポイント~5αリダクターゼの活性度

5αリダクターゼ活性

上記ではげやすい体質としてDHTの影響の受けやすさは父ではなく母方から遺伝するとお話しましたが、もう一つの遺伝のポイントである5αリダクターゼ方面の話はそうとは限りません

DHTは元々無害なテストステロンというホルモンが5αリダクターゼの働きによって変換されて作られます。

DHTの生成量はこのリダクターゼの力の強さ活性度が高いほど多くなり、その分脱毛シグナルの量も増えてしまうためはげやすくなってしまいます。

5αリダクターゼの活性度は遺伝的に父方、母方どちらからでも引き継ぐことが可能で、どちらから引き継ぐかというと、より活性度が高い方からの遺伝を受けることになります。

優性遺伝と言って、より力が強い方を引き継ぐことになるので、必然的にその子も5αリダクターゼの活性が強いということになります。

ということではげやすい体質を持っているかどうかは母方だけでなく、父方からも影響を受けることがやはりある、ということになります。

5αリダクターゼについての詳しい説明はこちらの記事を参考にしてみてください。
「5αリダクターゼの役割と抑制する方法~食事やサプリ・薬の使用法~」

4.でもやっぱり父親のはげを継いでいる気がする・・?

???

遺伝学ではげ薄毛のことを考えると少し難しく感じてしまいますが、実際のところご自身の周りを見ても「父と子が両方はげている」という事例はかなり多いのではないでしょうか?

この点について考察してみると、意外とその理由は単純なことが分かります。

父と男性の子は同性ですから、どちらも男性ホルモンの分泌が盛んで、結局のところAGAを発症しやすいということには変わりありません。

「父がはげているから子もはげる」というよりは「父も子も男性ならはげる」という、ごく自然なことということもできます。

父 子 ハゲ

とはいっても上述したように遺伝の影響も確かにあることは事実です。

近年は遺伝子検査によって自分のはげやすさを判定したり、治療薬の効きやすさを判定して治療方針の決定に役立てることができるようになってきました。

5.はげ薄毛の遺伝子検査とは

遺伝子検査

遺伝子検査は様々な医学的治療や病気の予防の分野で活用されていますが、ヒトのDNAを観察して特定の病気になりやすい体質かどうかを予測することを可能にしたものです。

はげ薄毛の分野では上述のとおり遺伝の影響も少なからずあるので、遺伝子を検査することでAGAに対するリスクをチェックすることができます

この分野において遺伝子検査で調べることができるのは、薄毛を引き起こすDHTの脱毛シグナルに対する受容体の感度の強さと、治療に用いられるフィナステリド製剤の効きやすさです。

まず上述した通りAGAの根本原因はDHTが発する脱毛シグナルですが、このシグナルを受け取る受容体の感度は遺伝の影響を受けることがあります

またAGAの治療にはそもそもDHTが作られないようにすることが重要ですので、そのための薬剤が使われます。

DHTは5αリダクターゼによって作られるので、この影響を封じてDHTが作られないようにすればAGAは発症せず、発症した後も進行を止めることができます。

そのために使われるのがフィナステリド製剤です。

プロペシア

製品名ではプロペシアが知られていますが、海外のジェネリック医薬品の場合は製品名が異なることもあります。

いずれにしてもその主成分であるフィナステリドに対する感度を遺伝子検査でチェックすることができるということです。

フィナステリドについては詳しいことはこちらで説明しています。
「プロペシアの主成分フィナステリドの効果と副作用」

これについて、もしフィナステリドに対する感度が低い場合、プロペシアなどの投与はあまり功を奏さないことを事前に知ることができるわけですが、この点のメリットは二つあります。

クリニック等でAGAの治療を開始する場合、最初の第一選択肢の治療薬がフィナステリド製剤になります。

そして最低半年は投与を続け治療効果を測定することになりますが、もし当該薬に対する感度が低い場合その間の投薬代が無駄になってしまう恐れがあります

薬 お金

また半年という貴重な時間を失うことになります。遺伝子検査を行うことによって金銭的損失と時間的損失の二重の損失になることを避けることができます。

フィナステリド製剤に対する感度が悪いことが最初から分かっているのであれば、他の代替薬剤を検討したりメソセラピーなど治療効果を高める治療を加えたりといった工夫ができます。

遺伝子検査は自分のAGAのリスクを知るためだけでなく、治療方針を立てるのにも活用できるということです。

6.遺伝子検査を受ける方法

AGAのリスクに関する遺伝子検査を受けるには2つの方法があります。

一つは専門クリニック等で行う方法、もう一つは検査キットを使って郵送により検査機関に自身の細胞を送って検査を行うものがあります。

医者 遺伝子検査キット

キットによる検査の方は複数の会社が検査キットを販売しており、これを注文してキットを自宅に取り寄せます。

自身の細胞の採取は口腔内の頬の内側の粘膜を麺棒などで擦って採取し、これを検査機関に郵送して検査結果の返送を待つというものになります。

みぎ3

手軽に、誰にも知られずに検査を受けられるというメリットがありますが、検査キットによる検査では難点もあります。

それはあくまで将来のAGA発症リスクを知ることができることと、治療を開始した際のフィナステリド製剤の使用の有効性を事前に知ることができるに留まるという事です。

つまり今現在目に見えているはげ薄毛がAGAによるものかどうかという点は検査キットでは判断できないということです。

この点クリニックなどで検査を行う場合は遺伝的検査は同じように患者さんの細胞を採取して行いますが、専門の医師がいるので直接頭皮の状態をチェックすることができます

問診

同時にどのような処置を施すべきかも分かるので、すでに薄毛が進行している方の場合はクリニック等で検査を行う方が結局は得になるでしょう。

キットを使った検査法はまだ抜け毛や薄毛が若干気になってきたのでAGAによるものかどうか心配なのでその可能性の高低を知りたい、あるいはまだ薄毛にはなっていないけれども将来に備えて自身のAGAリスクを承知しておきたいといった方に向いています。

7.まとめ

さて、今回ははげと遺伝の関係を見てきましたが、遺伝の影響は決して眉唾ではなく確かに関係があるということが分かりましたね。

その関係の仕方は昔からの言い伝えのように父親からだけのものだということはなく、母方からも大いに関係してくるものでした。

また現在は遺伝の影響を検査することもできるようになっており、手軽に検査キットで郵送によるチェックを受けることができます。

しかし、今現在すでに薄毛を気にしている方の場合は医療機関で医師のチェックも受けて確定診断を受ければすぐに効果的な治療を開始できるのでお得です。

遺伝の影響は自分ではどうしようもない要素ですので、もし遺伝が影響していたとしても悲観せずに専門医による治療を受けましょう。