パーマをかけるとはげやすくなるというのは本当か?

パーマをかけると

ヘアスタイルは自分を演出する大きな武器であり、見た目の印象をコントロールすることで周囲からの評価すら左右する力があります。

また「なりたい自分」「理想とする自分」を外見から近づけることで、そのような印象に近づくために考え方や性格といった内面すら変えてしまうこともあります

ヘアスタイルは単なるオシャレだけでなく、人によっては人生をも左右することもあるのです

できれば色々とヘアスタイルと試したいところですが、一つ心配なことがあります。

それは「パーマって頭皮や髪の毛に負担をかけるからはげやすくなるのでは?」ということ。

そこで今回はパーマによってはげてしまうことがあるのか、はげないようにパーマを楽しむにはどうすれば良いのか考えてみましょう。

1.パーマは男性型脱毛症(AGA)の進行を強めるか?

薄毛に悩む男子

まずは男性に多い男性型脱毛症(AGA)とパーマの関係について見ていきましょう。

①AGAの主な原因は?

パーマは薬液の化学反応の力で髪の毛の性質を変えてしまうものですが、これがAGAを促進させてしまうことがあるのか考えてみます。

AGAの主な原因は体内のジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンであり、これが毛根に対して髪の毛の成長を阻害する脱毛信号を発することで進行していきます。

DHT 毛根3

毛根はそれぞれ独立したヘアサイクルに従って稼動し、通常5~7年程度の成長期間の間に髪の毛を太く成長させるのですが、DHTの影響下にある毛根は成長期間が極端に短くなり、髪の毛は十分に成長できず徐々に細く弱くなっていきます。

AGAヘアサイクル

これを軟毛化現象といいますが、長くDHTの影響に曝された毛根はそれ自体が死んでしまい二度と髪の毛は生えてきません

DHTは体内酵素の5αリダクターゼによって生成され、思春期以降加齢とともに生成量が増え、AGAによるはげの範囲が広がっていきます。

AGAについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
「AGAによる薄毛の原因と対策の総まとめ」

②パーマは男性型脱毛症(AGA)を促進するのか?

さて、このAGAの仕組みを見てみますと、パーマ液の影響が関与する部分は限られるようです。

パーマ液には体内酵素の5αリダクターゼの活性を強めるような作用はありませんから、ホルモンの生成量に関与することはないのでAGAの機序に直接働きかけてはげを助長するようなことはありません。

ですからAGAを発症する前であれば、特に怖がらずにパーマを存分に楽しんでも問題ありません

一方、いざAGAが発症した後では少し気がかりなことがあります。

AGAの進行過程を見ると軟毛化現象の段階で危険をはらむことが予想されるのです。

2.AGA発症後のパーマは注意が必要

注意

パーマはAGAの根本原因そのものを助長することはありませんが、AGAではDHTの影響で髪の毛が細く弱くなる軟毛化現象が起きます。

パーマは、髪の毛をアルカリ性にしたり酸性にしたりと化学反応を起こしてクセ付けを行う作業です。

髪の毛にとってはかなりの外的ストレスとなり、切れ毛が起きやすくなることが予想されます

パーマ 切れ毛

健康な髪の毛であれば耐えることができても、AGAによって弱った髪の毛は耐えられません。

切れ毛によって毛数が減ることではげが認識しやすくなってしまう可能性はあるということです。

3.本当に頭皮へのダメージはないのか?

髪の毛自体にストレスをかけるパーマですが、頭皮へのダメージはないのでしょうか。

実はこれが多分にあるので注意が必要です。

特に美容院でなく自分で行う場合に危険性が高まります。

パーマはカラーリングなどと同じで、市販のパーマ剤を使って自宅で自分一人でもできます。

手軽に行えるのはいいのですが、はげの予防や対策を考える観点からはお勧めできません。

髪の毛同様、頭皮にも強い化学作用をもたらすので、刺激によって頭皮環境が悪くなってしまう可能性が高いからです。

パーマ 頭皮ダメージ

市販のパーマ剤には「できるだけ頭皮に付着させないこと」と注意書きがありますが、実際やってみるとこれが簡単ではありません。

これが皮膚トラブルを招き、頭皮環境を悪化させてしまうのでパーマは自分で行うことは避け、美容院でプロの美容師さんに施術してもらうのが安全です。

美容院

それでも頭皮への付着が絶対にないことは担保されませんし、少なからず負担が生じるということは考えておいた方が良いでしょう。

4.医師はパーマについてどう考えるか?

医師チェック

これは医師個々人で考えが異なる面もあるかと思いますが、あるクリニックでは少なくとも治療中は頻繁なパーマは控えるように指導しています

医師からすれば治療成績が第一ですから、万が一にも治療の効果が薄れてしまうことは不名誉につながります。

パーマは薄毛を治す方向に作用することはありませんが、上述の通り悪化させる方向に作用する可能性はあります

とはいってもAGAの根本原因を助長することはありませんから、患者さんの自由の制限と考量して、「できるだけ控える方がいいでしょう」という表現になるのでしょうね。

5.はげ隠しにパーマをかける人もいる?

前髪はげ

あまり進んだはげではなく、進行度合いとしてはまだ軽めの段階に限られますが、パーマによって髪の毛の根元を立ち上げ、ボリューム感を出すことで地肌の露出を少なく見せる効果を狙ってのことです。

生え際部分も軽度であれば毛量が増えたように錯覚させることができるので検討する人もいるようですね。

整髪料で毎日セッティングすることもできますが、整髪料は毛穴詰まりを起こす原因になったり、ハード系のものは洗髪時に抜け毛を起こしやすくなります

パーマでクセ付けを行えば毎朝のスタイリングも楽なのでパーマを選択する人も結構いるようです。

これは一時的な効果で錯覚させるだけですので、いわゆる「はげ隠し」のためにパーマを利用するということですが、少なからず頭皮や髪の毛に負担をかけるので、薄毛予防的にはあまりお勧めできるものではありません。

6.AGA以外のはげとパーマの関係は?

はげてしまっていても、それがAGAによるものであれば根本的にははげを助長することはないので、切れ毛や頭皮への負担を少なくするようにプロの美容師を利用するなど配慮すれば禁忌とまでは言えません。

ただAGA以外の原因によるはげの場合はパーマの負の影響がダイレクトに響いてはげを進行させることがあるので注意が必要です。

例えば脂漏性脱毛症やひこう性脱毛症などは皮脂やフケが原因となって起こるものですが、その進行過程では雑菌などによる頭皮の炎症が起きることが多く、ただでさえ頭皮は弱り、敏感になっている状態です。

このような状態の時にパーマをすると、刺激によって炎症をさらに進めるなど高確率で頭皮環境を悪化させるのでパーマは控えた方が無難です。

円形脱毛症なども同様で、できるだけ頭皮にストレスをかけない方が治療効果も良くでます

皮膚トラブルがない、例えば血行不良性のはげの場合はそれほどの悪影響はないと考えますが、パーマの刺激によって敏感になった頭皮が弱ると悪影響が出ることもあります。

7.皮膚が弱い自覚がある人はパーマを避けた方が良い

パーマ剤は健常な人でも思わぬ負の作用が出ることもあるのでできれば避けた方が良いと思いますが、元々皮膚が弱い方やアレルギー、アトピーを持っている方はなおさら敬遠すべきです。

アレルギー

カラーリング剤などではかぶれなどの負の作用が頭皮に限らず全身に及び、重篤な副作用を起こした事例もあります。

パーマ剤にも毒性がありますから、普段から皮膚が弱い人や体質的に刺激に敏感な人は特に控えるようにしましょう

どうしてもしたい場合は忘れずにパッチテストを行います。

パッチテストとは薬剤が体に影響を及ぼさないかどうか、少量をひじの内側など皮膚の薄いところに付着させ、体の反応を見るテストです。

市販のパーマ剤には添付文書にパッチテストのやり方が説明されていますので、面倒だからと飛ばさずにテストして下さい。

8.パーマ以外で髪の毛にボリュームを出すには

上述しましたように、はげ薄毛をできるだけ目立たないようにしたいからといってパーマをかけるのはあまりお勧めできませんが、代わりに髪の毛にボリュームを出せる方法があります

市販のトリートメントなどのヘアケア製品の中には、髪の毛にハリやコシを与えてボリュームを出す効果があるものがあります

シャンプー ボリューム

こうした製品を使えば、毎日の洗髪で髪にボリュームを持たせることができます

こうした製品を使う場合に考えられるのが、「できるだけ日中にボリューム感を出したいので朝に洗髪しようか」というものですが、これはいけません。

洗髪を朝に行うと頭皮のバリア機能を失った状態で紫外線や外界の刺激を受けることになり育毛的に良くないので、洗髪は夜に行うのが良いとされます。

…かといって朝晩二回の洗髪もいけません

洗い過ぎはかえって頭皮環境を悪化させるからです。

気持ちは分かりますが、洗髪は一日一回、夜寝る前に行うようにしましょう。

夜に洗髪してもボリュームアップ効果は日中ちゃんと持続しますのであまり神経質に考えなくても大丈夫です。

そしてもう一つ、ボリュームアップ効果を増大させるためにと十分にすすがないと、成分が毛穴詰まりを起こしてはげを助長する結果となります。

正しいシャンプー方法についてはこちらの記事で説明していますので参考にしてみてください。
「AGAに効果のあるシャンプーってあるの?薄毛とシャンプーの関係性」

9.まとめ

さて今回は、はげとパーマの関係を見てきましたが、基本的には頭皮や髪の毛に余計な負担をかけるものになるので、はげ薄毛の予防や手当を優先する立場からはできるだけ避けた方が良いというのが実際のところです。

AGAではその根本原因であるホルモン系に作用してはげを助長することはないものの、頭皮環境を悪化させる可能性は十分にありますし、他の皮膚トラブルから来るはげならばなおさらです。

はげ隠しにパーマをしたいという要望もあるようですが、できればパーマ以外の負担の少ないトリートメント剤などで代替したいものです。

皮膚トラブル系のはげの方や、アレルギーやアトピーなどを持つ方はよりリスクが高いので、どうしてもやりたい場合はパッチテストを経たうえで完全自己責任で行わなければなりません。